2006年当時の静岡県内ロケ地がひと目でわかる「しずおかロケーションマップ」を公開!
手作りで制作したこのマップは、沼津のフィルムコミッション活動(現在は「ラブライブ!サンシャイン!!」で有名)の原点ともいえ、地域の魅力発見や観光、撮影地選びに大好評でした。
当時は県内JRの各駅改札口で配布していたよ。このマップを片手に静岡のロケ地めぐりをお楽しみください。

フィルムコミッション活動から遠ざかって15年近くが経ち、ただいま「沼津港の魅力掘り起こし」作業中。「みんなにとっての魅力ってどれ?」を仲間と共有するために当ページを用意しました。
しずおかロケーションマップ概要
内容は当時のものです。
誌 名 | しずおかロケーションマップ 創刊号 |
発行日 | 2006年10月15日(予定) |
配布期間 | 発行から5ヶ月 |
定 価 | 無料配布※郵送入手ご希望の方は、送料負担にて郵送。 |
部 数 | 70,000部 |
仕 様 | A1版 ※通常の日刊新聞紙より、ひと周り大きいサイズ 全ページカラー A1版を、持ち運び便利なA4サイズに折り、配布 |
発行地域 | 静岡県内・東京都(旅行社・映像制作者・出版社等)・アジア・その他 |
主要配布先 | ■JR東海各駅/有料道路/公共交通/県内全観光協会/公共施設/レジャー施設 ■映像製作者/旅行社 |
広告宣伝 | ■新聞・テレビ・ラジオへのニュースリリース ■雑誌・出版社への「ロケ地ツアー」記事取り上げ ■旅行社への「ロケ地ツアー」の提案 ■県内全市町・行政関係者への配布 ■当会媒体(会報誌・メルマガ・ホームページ・ブログ・通信販売)内告知 |
広報促進 ネット連動 | 10月より、当会ホームページ及び、ポータルサイトでの告知。更なる相乗効果を図ります。 |

静岡県内JR全駅の改札口に設置
静岡県内外に797か所に設置や配布をしました。
静岡県内のロケ地/マスメディア/静岡県の市役所や町役場/銀行や信金/宿泊施設/アミューズメント施設/劇団/旅行会社/政治家さんたち/全国の作家協会、監督協会/郵便局/警察署/図書館や大学/各市町の市長さんたち/書店/観光協会/映画館/国交省河川事務所/商工会議所や商工会/バス会社、タクシー会社/全国フィルムコミッション/JR全駅(改札口に設置!)/静岡県内の道の駅/アジアの旅行会社/東京国際映画祭などなど
静岡県フィルムコミッション活動の黎明期 ~県内連携とロケーションマップ誕生の背景~
静岡県内のフィルムコミッション活動は、小山町と牧之原市が最も古く、その次に私は沼津と伊豆で組織を立ち上げ(1999年)ました。当時、各地の活動状況を共有するだけでなく、エキストラを県内のロケ地に派遣するなど、静岡県全体を盛り上げるために互いに協力し合いながら活動を進めていました。この「しずおかロケーションマップ」も、そうした流れの中で誕生したものです。
全国フィルムコミッション連絡協議会が発足したばかりの時期ということもあり、各市町の観光担当者や県職員、県東京事務所のスタッフなど、右も左も分からないという状況でした。
そこで、彼らにロケ現場を見学してもらったり、東京国際映画祭の場で監督との懇親会に招待するなど、関係者の理解を深めるための取り組みを積極的に展開しました。こうした地道な活動の結果、静岡県でも県内のフィルムコミッションを統括する連絡協議会を設立してもらうことができました。この一連の取り組みが、静岡県内におけるロケ誘致活動の大きな礎を築くこととなりました。
静岡フィルムコミッションNet(管轄:静岡県スポーツ・文化観光部 観光交流局 観光振興課)
当時を振り返ると、知事室や県職員の皆さんにはさまざまな無理なお願いを快く聞いていただき、本当に感謝の念に堪えません。
しずおかロケーションマップ
ご自由にダウンロードしてお楽しみください。


ロケ新聞発行と情報公開の取り組み
「しずおかロケーションマップ」の元となる資料として。ロケ支援ごとにエキストラによる感想文をもとにした会報誌「ロケ新聞」を発行していました。
ロケ撮影は、作品の性質上どうしてもクローズドな環境になりがちです。しかし、地域住民の理解がなければ、自由に撮影ができるロケ地を作ることはできません。
理解といっても、ただ賛意を求めるだけでなく、地域全体がウェルカムな環境を自然と作り出せるようにすることを目指しました。ロケ誘致による経済効果のアピールだけでなく、地域愛を育み、その結果、自走可能な街づくりにつながることを目指していました。そのためにも、何よりオープンかつ積極的な情報公開を心がけていたのです。
当時の石原都知事が「銀座でカーチェイスを撮影できるようにしたい」と語った話は有名ですが、それを実現するためには、地域住民からのクレームが出ない環境を整えることが不可欠です。
ロケ撮影には、地域の理解と協力が何より重要であり、そのためには住民との信頼関係を築くことが前提となります。ただ許可を取るだけではなく、地域全体が自然に協力し合えるような環境づくりが、円滑なロケ誘致の成功につながるのです。



ロケ誘致は手段:地域を「もっと元気に、もっと笑顔に」する街づくりがゴール!
ロケ誘致は目的ではなく、あくまで地域を活性化するための手段のひとつにすぎません。ロケ誘致は、地域が一体となるためのきっかけであり、最終的な目的は地域そのものが元気になることです。それは、経済的な発展だけでなく、人々が誇りを持ち、地域に根付いた絆や活気を取り戻すことにほかなりません。ロケを通して地域の魅力を再発見し、次の世代に向けた自走可能な街づくりを目指したいという思いが根底にあります。
街づくりなんて言うと少しかたい印象ですが、人口が減ってお店がなくなっていくのは、やっぱり寂しいですよね。地域が元気であり続けてほしい――その思いから、いろいろな取り組みを模索する中でたどり着いたのがロケ誘致です。
ロケ誘致は、大きな資金がなくても、地域全体を巻き込みながら、垣根を超えて人々が一致団結できるユニークな方法。さらに、その過程で地域に誇りを持ち、わくわくする経験を共有できます。ロケをきっかけにして地域の魅力を再発見し、自ら持続的に発展できる街へ――それが本当の目的なんです。

ロケ誘致が生み出す最大の価値――聖地巡りの力
ロケ誘致のもうひとつの魅力、それは「聖地巡り」です。映画やドラマの舞台となった地域を訪れることで、観光客が増え、地域の経済や文化が活性化します。例えば、映画『ローマの休日』がイタリアの観光を国策として後押ししたように、アジアでも韓国ドラマ『冬のソナタ』が観光ブームを巻き起こしました。
海外では、ロケ誘致の最大の目的は観光誘客、特に海外からの観光客を呼び込むことにあります。
これを達成するために、多くの国が撮影を支援するインセンティブを提供し、雇用の創出や経済効果を実現しています。一方で、日本のフィルムコミッションの歴史は世界と比べるとまだ浅く、観光誘客という視点では十分には発展していません。しかし、これは逆に言えば大きなチャンスです。
ロケ誘致を通じて日本の地域の魅力を発信し、「聖地巡り」による国内外からの観光客の誘致を進めることで、新たな経済基盤と地域活性化に繋げることができるのです。
2009年実施 映画撮影のロケを誘致して観光振興を図る
その後、沼津商工会議所さんと、中小企業庁さんのお力を借りて、映画制作者に向けたWebサイト「ロケーションライブラリー」の構築とロケ地巡りツアー、フィルムコミッショナー人材育成、ロケ弁コンテストなどの複数事業を実施し、2年間かけて、沼津市内にフィルムコミッション組織と三民一体の運営体制を確立しました。
feel NIPPONより 富士・伊豆・箱根に隣接する観光拠点・静岡県沼津市。沼津商工会議所では、平成21年度の地域資源∞全国展開プロジェクトとして、【「さぁ来い、ハリウッド!大作戦」ロケでまちが元気になるプロジェクト】を実施。


まだまいける!国内外の先進地に学ぶロケ誘致の可能性
国内外の先進地では、ロケ誘致を行う際に、撮影支援のインセンティブの提供、ロケ地の二次利用、さらにはPR活動の展開など、さまざまな取り決めを行っています。これにより、撮影時の一時的な効果にとどまらず、長期的な経済効果や観光誘客へとつなげています。
こうした取り組みを実現するためには、ロケ地そのものの魅力をさらに高め、ブラッシュアップすることが必要不可欠です。
フィルムコミッション活動をはじめた頃から26年が経ちましたが、まだまだ日本においては課題も多いようです。ですが、やるべきこと、そして挑戦の可能性は無限大といえるでしょう。これこそが、地域全体を巻き込んだ市民参加型の「未来につながる街づくり」の第一歩となります。